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2018年須成祭見物です。 [蟹江散策]

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8月に入りました。地元の祭「須成祭」の「宵祭・朝祭」が土日に執り行われました。写真は須成地区中央に架かる御葭橋を通過する朝祭の車楽船です。それにしても暑いですね。8月2日(木)、お隣の名古屋市では、最高気温40.3度を記録したようです。各地でこの時期夏祭やイベントが開催されているようですが、この「命に危険を及ぼす恐れのある猛暑」の中、どこも大変なようです。

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先日の土曜日、正午から宵祭最初の行事「みそぎ」が執り行われました。御葭橋横にある須成公民館(宿)に当日祭船に乗船する祭役者が全員集合します。その後宿前に用意されたシャワーをくぐって御葭橋を渡ります。かつては蟹江川の対岸に泳いで渡っていましたが、現在はシャワーを浴びて橋を徒歩で渡ります。その後蟹江川西堤防を北上します。

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一向は須成集落の北部まで歩き、西方にある多度大社に向って祭両日に雨が降らないように祈願するため拝礼を行いました。

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その後天王橋を渡り須成神社拝殿前で参拝を行い、蟹江川東堤防を南方向に歩き宿前で諾冊二尊に向って参拝を行い解散しました。

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午後2時からは「天王詣り」が執り行われました。宿に稚児や祭役者が集合、祭衣装を着けた稚児と親役、諸役一同が行列を組んで神社に参拝しました。一同は参拝を済ませると須成地区内にある龍照院、松秀寺、善敬寺に赴く「寺参り」を行いました。本来は徒歩で出向くのですが、この猛暑によりマイクロバスで移動するとのことでした。

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午後6時過ぎの須成神社・龍照院境内の様子です。時間の経過ともに祭気分が盛り上がって来ていました。

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私は宵祭当日の来賓接待を仰せ付けられていましたので、その会場である蟹江町観光交流センターに向かいました。須成祭がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを記念し、この5月にオープンしたばかりの施設です。別名「祭人(さいと)」と名付けられています。1階は物販、2階は須成ミュージアムとして地元産品などの販売や交流、須成祭に関する展示施設との構成、今夜の来賓の接待は屋上で行われます。

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午後9時半近くの「祭人」屋上から天王橋に辿り着いた巻藁船を撮影しました。宵祭、とても雅やかな場面があるのですが、写真はこの1枚のみでした。ちょいと残念なところです。その後、祭船に飾り付けられた「ほうずき提灯」に餅を仕込んで橋上の観衆目掛けて投げられました。これは縁起物として多くの方が求めて賑わいました。この後天王橋北で打ち上げ花火が上げられ、午後10時に宵祭は無事終了しました。

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写真は車楽船、昨夜宵祭終了後、午後11時から「山起こし」が行われて梅花、桜花を飾り付け、諾冊二尊を安置、幕などに祭船が模様替えされています。午前9時半過ぎに飾橋を出発、天王囃子を奏楽しながら蟹江川を上がって行きます。

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船内の様子です。天王囃子を奏楽する稚児の皆さんの様子が解ると思います。本日も猛暑予報、川は少し涼しいと言えども、この陽射しは辛いことでしょうね。

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祭船の進行の先回りしながら撮影を行いました。本日の水郷はフリーな立場なので、ゆっくりと祭を見物すしていくことにしましたよ。

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祭船は須成祭の一番の見所、跳ね橋の御葭橋に近付いてきました。昨年まではこの位置から宵祭の様子も撮影していました。

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御葭橋が跳ね上がっていきました。ここで須成祭の歴史などを紹介したいと思います。愛知県蟹江町の最北部に位置する須成地区で約400年の歴史を有する須成祭の起源は、地元の云い伝えによれば、その昔、須成の若者が芋の葉をかぶって、深夜須成から海を渡り、津島神社の御神葭様をお迎えしたことに始まるとされますが、定かではありません。

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中世以降、この地にあった冨吉荘の総鎮守として冨吉建速神社(冨吉牛頭天王社)・八剣社の祭礼として地域周辺で執り行われてきました。

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車楽船が天王囃子後半部分を奏楽しながら御葭橋を通過しようとしていきます。織田信長・豊臣秀吉及び尾張藩政下の歴代藩主も尊崇し、保護してきたようです。


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天文17年、織田信長が社殿修復の際、「夏六の祭典退転これなき様に致すべく」と戒めているのもそのあらわれだとされています。江戸時代、尾張藩が宝暦5年に藩内の祭礼を記録した「尾陽村々祭礼集」には「冨吉天王之祭、船祭一輌、打囃子試楽有、村下橋より天王橋迄渡」と記されて現在と同様の祭の形態がうかがえられます。

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写真は車楽船に安置された諾冊二尊です。江戸時代の旅行記ともいえる「尾張名所図会・付録」である「小治田之真清水」では須成祭の絵図が掲載されて、大勢の観衆とともに船祭、神葭流しの様子が描かれています。

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車楽船が御葭橋を通過して行きました。以来須成祭の船祭行事などは、須成地区の年中行事として年々執行されてきた由緒が古く、長い伝統を持つ祭として一昨年ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

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御葭橋を通過し須成神社横の天王橋に向かう車楽船です。昭和40年代まで宵祭と朝祭は旧暦の6月17日。18日に執り行われていましたが、昭和40年代に新暦に改められ、8月第1土曜日が宵祭、翌日の日曜日に朝祭が行われるようになり、現在に至っています。

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車楽船の進行に先回りして神社境内に進んでみました。境内の神楽殿では須成鼓笛保存会の皆さんにより「神子太鼓」が奉納されていました。

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再び車楽船を見物するため神社横の天王橋に出掛けました。船が到着しつつある段階となって橋周辺は出迎える多くの方でごったがえしていましたよ。皆さんの目的は。。

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蟹江川に西堤防からこの模様を撮影してみました。本日の祭役者を披露する場面でもあります。この後、一旦船は着船出来る「こいど」まで引き返します。そこから稚児を始めとする諸役は下船して神社をと向かいました。

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一向は神社拝殿内で天王囃子を一曲奉納します。その間、船では残った山乗衆により「投げ花」と言って、船を飾る桜花・梅花を切って見物している観衆に投げ与えました。

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この花を受けとり、我が家に持ち帰って床の間などに1年間飾ると「雷除け、良縁に恵まれる」と言われ、皆さん競い合うように奪い取ります。橋周辺の賑わいはこのためだったようですね。

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本日の蟹江地方は相変わらず猛烈に暑かったです。お隣の名古屋市では最高気温が39.9度を記録したようですね。午前中に飾橋を出発、天王橋まで執り行われた朝祭ですが、お付き合いしても汗まるけになりましたよ。祭に従事された方々も大変だったことでしょうね。この後、神社に出向いた祭諸役は、船に戻って宿近くまで戻り下船、こうして2018年の須成朝祭は無事終了しました。それにしても猛烈に暑い中での祭礼でした。今シーズンは、お天道様から「お前が欲しい斧は金の斧(猛暑)か?それとも銀の斧(豪雨)か?」と問いかけられているような不順な天候続きです。「私たちが欲しいのは、平年並みの木の斧です。」と言いたいところですが、お天道様からは「お前たちの贅沢三昧のため木の斧は既に朽ちた」と言われているような感じです。


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コメント 10

お名前(必須)

暑くても、お祭りはいいですね!
私も今日は海!
隠れて楽しみます。へへ;
by お名前(必須) (2018-08-06 07:55) 

まつみママ

今日は~
相変わらず厳しき暑さの日々ですネ
お元気ですか 
お祭りで 気分を掻き立て 頑張って下さい 

by まつみママ (2018-08-06 12:32) 

JUNKO

夏祭りはいいですね。川を下るなんて風情があります。一度見たいものです。
by JUNKO (2018-08-06 19:12) 

nikki

猛暑続きでお祭りも大変ですね。
by nikki (2018-08-07 00:47) 

水郷楽人

おはようございます。猛暑の中須成祭が執り行われました。祭役者の方々、見物の方々もこの暑さた大変だったことでしょう。露店ではかき氷などがよく売れていたようです。優雅な川祭り、今年も楽しむことができました。
nice!&コメントをいただきまして有難うございます。

by 水郷楽人 (2018-08-07 07:08) 

mimimomo

おはようございます^^
こうしてあちこち見物しながら写真を撮るのも大変だったのでは?
とにかく暑い時期でしたものね(そちらは今も暑いかしら)
関東はここ2~3日涼しいです。
賑やかなお祭りですね。やはり由緒あるものだと人出も多いですね。
by mimimomo (2018-08-09 08:05) 

旅爺さん

蟹江街は本当にいろんな盛大な祭りがある町すがで賑わってますね。
まだ暑さは厳しいですがその分畑は豊作でしょうね。
by 旅爺さん (2018-08-09 08:27) 

ななこ

水の街らしい素晴らしいお祭りですね。
山車ではなく舟というのがいいです。
お役目ご苦労様でした。
by ななこ (2018-08-09 22:15) 

水郷楽人

おはようございます。猛暑の中須成宵祭・朝祭が執り行われました。川沿いで執り行わえるお祭、例年、涼を求める方で堤防沿いは多くの方で賑わいますが、今年は兎に角、暑く感じました。祭役の方々も大変だったと思います。伝統文化を味わう2日間、今年も楽しめました。
nice!&コメントをいただきまして有難うございます。
by 水郷楽人 (2018-08-10 06:38) 

Baldhead1010

今年は暑いのでお祭りも大変ですね。
by Baldhead1010 (2018-08-11 04:26) 

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