あま市木田八剱社「湯の花神事」は魅力的です。 [歴史散歩]
湯気が立ち込める中、神官様が釜から湯を取りだしています。それを見守る祭役員の皆さん、緊張の一瞬でした。
台風19号が西日本に接近中の日曜日、あま市まで出かけてきました。写真はあま市美和歴史民俗資料館です。あま市の歴史文化に関する博物館施設、ここに立ち寄って、本日執り行われる木田八剱社「湯の花行事」に関する資料をいただきました。祭の行事内容を館学芸員の方から親切にご教示いただきました。
その後あま市役所前の駐車場に車を置いて、徒歩で神社へと向かうことにします。県道に架かる歩道橋から木田地区を写真撮影してみました。黄金色の田圃が一面に広がっていましたよ。そろそろ稲刈が行われる時期となっていました。
木田地区の町並みに入ってきました。前回の津島秋まつり記事でも紹介させていただいた旧津島上街道沿いに入りました。遠くで子ども達の歓声が聞こえてきます。子ども獅子の皆さんが街道沿いを行進中でした。
一行を追い抜いて記念撮影、蟹江だと撮影ポーズを取る元気な子どもたちが多いのですが、ここは皆さんおとなしいですね。。ちょいと恥ずかしながら撮影に応じてくれました。
暫く津島上街道を東に向かって歩くことにします。街道沿いには昔ながらの町並みがポツリポツリと残っています。
かつては名古屋城下から津島神社への参拝の往来客で賑わった名残がまだまだ残されている感じです。
木田地区の中心部に入ってきました。段々と写真のような大きな建物が多く見えてきましたよ。それにしても威風堂々とした立派な建物です。
上街道散策をもう少し進んで名鉄津島線木田駅近くまで行きたいところですが、本日は「湯の花神事」見物のため出かけてきたので、街道町並み巡りは、またの機会として神社を目指すことにします。街道から折れた細い道に入りました。少し遅れて鉦や太鼓の音が後方から響いてきました。良く見ると山車がこちらの方に進んできました。
写真は、木田八剱社です。本日の祭事が執り行われる神社、案外ひっそりとした雰囲気でした。
暫くすると先程見かけた山車が神社脇の広場に2輌集まってきました。本来ですと6輌の山車が集まって賑やかになるとのことですが、接近する台風のため神社近くの地区以外は、巡行を取りやめたとのことでした。
愛知県尾張地域は、祭に山車が出そろうことが多いですね。ここの山車は、今まで拝見した山車とはちょいと趣が変わっているような感じです。市松人形さんらしきものが山車に飾られています。
その前には唐子のカラクリ人形が飾られています。これは一般的な飾り付けなのですがね。
祭太鼓は、先週見かけた津島の山車とは異なり、笛は無く鉦を打ち叩く桑名の石取祭のような調子です。やっぱり各地区には独特の祭太鼓の調子があるようですね。
さて、神社境内へと入りました。目の前に大きな山みたいな盛土があり、その奥からは湯気が上がっています。
先程の盛土は、湯を沸かすために作られたグドを掘った際に集めた土だそうです。祭一週間前に、地域住民の方々が集まり、境内の地面を掘り下げて写真のような五つのグドを作り上げるとのことです。かつては人力でしたが、今は小型のショベルカーを使い掘り下げ、仕上げの細かい作業は手作業とのことです。
あれこれと様子を拝見していたら、祭役員の方から声をかけられ、あれこれと祭について説明をいただきました。湯を沸かしている最中の湯釜は金属製の蓋を使っていますが、湧いたところで写真のような米藁と麦藁を使ったものを使うとのことです。
暫くすると釜から湯気が激しく沸いてきました。説明どおり蓋が変わっていきました。
写真のように五つの蓋すべてが変わりました。中央の蓋は、八岐大蛇神話に登場する酒瓶、そしてその他の蓋は、それぞれの大蛇を表現したものとのことです。
神事の用意が整ったところで役員さん、クドの前で記念撮影されていました。
ここから神事が始まります。神社鳥居参道から村役を先頭に神主様や祭役員一行が行列してきました。
一行が近付いたところで写真撮影です。とても気が引き締まる一瞬です。
一行は神社拝殿横に整列、そして秋葉神社前で祝詞の奏上が執り行われます。
祭一行は拝殿に入り神事が執り行われています。間もなくすると神主様はクドの前にお越しになってお祓いが行われました。
その後、神主様がそれぞれの釜から柄杓で湯をくみ取ります。湯気が激しくたっているので、あまり詳しく撮影できない状態となっています。
レンズを拡大するとこんな感じでくみ取ってみえました。ちょいと神秘さを感じます。
器にくみ取った湯は、神社へ運んで神事を続けているようです。この後、祭役員さんが五つの釜から柄杓で湯を汲み取ってみえます。
これを薬缶に入れて見物されている方に振る舞ってみえました。
もちろん水郷もこれに参加、お湯をいただくことにしましたよ。湯と言えば単なる湯なのですが、少し鉄分を感じる様な味がしたような気がします。
味わっている方も見えましたが、水筒持参で湯を汲み取っている方もみえましたよ。この湯を飲むと無病息災・疫病退散になるようです。我が家に持ち帰り家族で飲まれるようですね。
神社横の山車太鼓を叩かれていた地元の方もドンドンと湯を飲みにお越しになりました。地域住民の皆さんにとっても健康を祈願するには良い機会となっているようです。
一つの釜からでなく、すべての釜の湯を汲み取って飲むのが大事だとのことで、皆さん少しずつ水筒の中に湯を汲み取ってみえました。なお、神事に使用されている湯釜は、立ち寄った美和歴史民俗資料館でいただいた資料によれば、江戸時代の享和2年(1802)、神社の五つの祭神(熱田五神)にちなみ製造、奉納されたものとのことです。湯釜には当時の木田地区の有力者の銘が刻まれているとのことです。言い伝えによれば、後世に苗字を残すために釜の奉納を思い立ったとのことです。
約2時間ほど神社で祭の模様を拝見しました。立ち去る際にも、まだまだ神社に湯を求める方が次々と訪れていました。とても素朴な神事ですが、魅力的な感じでしたよ。この神事自体は、村の平穏と五穀豊穣を祈願するもので、現在あま市の無形民俗文化財に指定されている伝統行事です。なお、祭のために作られたクドは祭終了後、速やかに埋め戻されて更地にされるとのことでした。
神社を立ち去り、先程来た道を駐車しているあま市役所へと戻ることにします。途中に名鉄津島線の踏切があり、その前を津島行の電車が通過していきました。プチ鉄水郷、やはり今回も踏切前で電車を記念撮影してしまいましたよ。
午前10時過ぎに神社に出掛け約2時間ほど祭見物し、ちょうど駐車場に帰ったところで正午となったので昼食を摂ることにします。立ち寄ったのがちょうどお昼真っ最中、このように家族連れで行列状態でした。
ようやく店内に入って注文は、やはり今回も中華蕎麦です。鰹風味の和風味、薄味好みの水郷には、ちょいと味が濃く感じましたが、さっぱり味で美味しかったですよ。これで490円ですからお値打ちですね。最近、祭見物に出かけるとついついラーメンばかり注文している水郷でした。
水郷楽人の塵芥録HP版(クリックするとHPにジャンプします)
こちらは水郷楽人の塵芥録HP版です。水郷楽人の歴史散歩編も順次更新中です。よろしければご覧くださいね。。
こんばんは!!
初めて目にするお祭りの模様です・・・初めて知りました。
街中が参加のお祭りは、ワタシの地域の様な新興住宅地には無いので
寂しいです。
水郷楽人さんの記事で楽しめました...有り難うございました。
by ちゃーちゃん (2014-10-15 22:02)
街道沿いは、風情がありますね。
八劔社の伝統の祭り、後世に続いて欲しいものです。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2014-10-15 22:28)
おはようございます。段々と肌寒く感じるようになってきましたね。あま市に出かけ湯の花神事を見物してきました。素朴な祭ですが、祭役員の方の熱心な奉仕には頭の下がる思いでしたよ。いつまでも伝承していただきたい伝統文化ですね。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2014-10-16 06:30)
本当にそちらは祭りが多い所ですね。
伝統の並んだ竈が凄いですね、ご利益がありそうです。
by 旅爺さん (2014-10-16 07:01)
お早うございます。
市松人形の可愛い山車ですね。
「湯の花神事」は初めて知りました。
by yakko (2014-10-16 08:47)
おはようございます^^
各地区色んなお祭りがあるものですね。
このお湯を頂いたら無病息災? わたくしも頂きたかったです^^
by mimimomo (2014-10-16 09:04)
こんにちわ。
あの津島街道を歩いて小学校に通っていたことを懐かしく感じます。
地元のお祭りになかなか行けなくて残念ですが、
水郷楽人さんのおかげでどんな行事なのか知る事が出来ました。
ありがとうございました。
by tom_mura (2014-10-16 10:31)
珍しい神事ですね。それに地元の方達との深いつながりが感じられますね。楽しませてもらいました。途中街並の雰囲気もとても素敵です。
by れもん (2014-10-16 14:49)
伝統行事、後世にいつまでも伝えていって欲しいですね。
クドはお祭の度に掘ってまた元に戻すのでしょうか?
by kuwachan (2014-10-16 18:26)
今晩は。秋祭シーズンとなり各地の祭見物に出かけています。湯の花神事、とても質素なお祭でしたが、見ごたえがありました。いつまでも伝承していただきたいお祭ですね。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2014-10-16 21:20)
地域のお祭りは団結力に繋がりますね。
このまま続けてほしいよね。^^
by hatumi30331 (2014-10-17 06:16)
おはようございます!
モノトーンの街並みと
極彩色の山車が自然に調和していますね(^^)
by ちゅんちゅんちゅん (2014-10-17 07:59)
こういう伝統的なお祭りは無くなって欲しくないですね。
ずっと続いてほしいです。
このお湯飲むと何か御利益みたいなものがあるのでしょうか。
by ポートス (2014-10-17 09:31)
皆様 こんにちは。ぐっと朝夕が冷え込んできましたね。秋祭も終盤となってきました。あま市の木田地区秋祭りを見物、とても素朴で神秘的な湯の花神事を拝見してきました。いつまでも伝承して欲しい伝統文化ですね。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2014-10-17 18:36)
先日の台風19号が通り過ぎた後、当地では一気に秋めいてきましたね。
by yanasan (2014-10-17 22:12)
古式ゆかしいお祭りですね。伝統的なお祭りが続いているのが素晴らしいですね。
by JUNKO (2014-10-17 23:04)
色々な神事がありますね、見たことがありません。
ご利益有りそうですね@@
by せつこ (2014-10-18 14:45)
皆様 こんにちは。台風後は秋晴れが続いて気持ちが良いですね。この日は台風接近間近かで生憎の曇天、山車も多く出揃わずに少し寂しい状態でした。神事はとても素朴で見応えがありましたよ。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2014-10-18 16:27)
水郷楽人さん はじめまして
すばらしい御神事に感動しました☆**
ありがとうございました♪また遊びに参ります☆
by 森のノーム (2014-10-18 16:46)
こんばんは。初めまして。こちらこそ有難うございます。とても素朴なのですが、素敵な神事でしたよ。
nice!&コメントをいただきまして有難うございました。
by 水郷楽人 (2014-10-18 18:21)