街中に賑やかな祭囃子が奏楽され、太鼓と鉦の音が鳴り響いています。昨夜は「日本で一番やかましい祭」として有名な桑名市「石取祭」見物に出かけてきました。石取祭は、先週紹介した尾張天王津島祭同様、国重要無形民俗文化財に指定され、文化庁がユネスコに日本文化を代表する「山・鉾・屋台行事」の一つとして推薦した無形遺産登録に申請中の由緒ある夏祭りです。
JR蟹江駅から普通電車の乗車し、約20分ほどで桑名駅に到着しました。駅前には、写真のような看板が設置されていました。
まずは腹ごしらえを行うことにします。桑名駅前にある老舗桔梗屋へ入り中華蕎麦をいただくことにします。学生時代に立ち寄って約30年ぶりに同店を訪れました。懐かしい和風味のラーメン、とても懐かしいお味でした。
食事後、駅前ビルにある桑名市観光案内所に立ち寄って石取祭に関するパンフをいただきました。これで祭の見所や時刻などが正確に知ることができます。駅近くから太鼓と鉦の音が響いてきます。歩道橋から眺めたら石取車が三両ほど並んでいましたよ。
近付いて拝見することにします。この時間だと子供たちが中心に太鼓を叩いているようです。観光案内所でいただいたパンフをもとに街中を散策していくことにします。
約15分ほど歩くと商店街のアーケイドが見えてきました。桑名の台所と云われている寺町商店街です。
まだ夕方近く、祭の見頃となる時間ではないので、ゆったりと歩くことができました。
写真は商店街の中にある「まちの駅」、桑名市の特産品などが販売されているようなので、店内に入ることにしましたよ。
そこで水郷が買い求めたのは、桑名名物「アイス饅頭」です。これは寿恵広さんのものです。今日は蒸し暑かったですからね。中の小豆餡が硬いこと。でもとても美味しかったですよ。
寺町商店街から桑名市のメインストリート「八間通」に出てきました。桑名駅前と桑名城のあった九華公園を結び、戦前には、日本で一番短い市電が走っていたと云われる通りです。この時間には歩行者天国となって多くの露店が立ち並んでいました。
八間通を南下して、桑名の総鎮守である桑名宗社(春日神社)界隈に近付いてきました。隣接する町内から石取車が出て来ていました。
桑名宗社の鳥居前にも石取車があり、太鼓と鉦が鳴り響いてました。段々とお祭モードが盛り上がってきました。
神社南門前です。先月の梅雨明け後から晴天の日が続いていたのですが、この日は先週の津島祭同様のドンヨリとした生憎の空模様、写真もドンヨリした感じになってしまうのがちょいと残念なところです。この門前で旧知の方とお会いしまして、お互いにビックリ仰天、何でも奥様の実家が近くにあるとのことでしたよ。見知らぬところと言え油断はできませんね。
神社に隣接する通りには三両ほどの石取車が並んでいました。子ども達中心で太鼓や鉦が鳴らされています。今日は午前0時から祭は「叩き出し」でスタート、明け方まで祭車を曳き回しながら石取囃子を奏楽しているので、大人の方は、まだ休憩中なのでしょうかね。
そんなことを思いながら参拝のため、神社境内へと進むことにします。拝殿内では祭役の方が一堂に集まり、神事が執り行われています。
拝殿前には写真のような俵のようなものに石が詰められたものが各町内から奉納されています。もともとこのお祭は、桑名市南部を流れる町屋川(員弁川下流部の名前)の清らかな石を採って祭地を浄めるために春日神社に石を奉納する祭として執り行われた由緒を有するものだそうです。
参拝を済ませて八間通に戻りました。暑くて喉元も乾いたので、ここで水郷に「水遣り」を行うことにしました。一杯500円で生ビールを注文し、喉の渇きを潤すことにしましたよ。祭見物しながらの一杯は、やはり最高ですね。
美味しいビールタイムを済ませて再び祭見物を行うことにします。取り敢えず神社周辺を散策することにしました。周囲も少し薄暗くなってきました。写真は神社西門、こちらにも石取車が2輌ほどがあります。そろそろ大人の方も出揃ってきたようです。
表通りへ次々に石取車が曳き回されてきました。
そして提灯も点灯されてきましたよ。時折小雨が降って来ているので、雨対策としてビニールで覆いのされているものもありました。祭車先頭に取り付けられている大きな蝋燭にも火が点けられたようです。
写真のように八間通は祭見物のため多くの方が出かけられてきました。やはり国重要無形民俗文化財に指定を受けているだけのお祭ですね。
夜店の数も半端ではありませんよ。通周辺は香ばしい香りが漂っています。祭モードも盛り上がってきたような感じです。
午後7時を過ぎると完全に暗くなってきました。各祭車の提灯もすべて点灯されたようです。
通りも大賑わい、なかなか前に進めない状態となってきました。
どの祭車も提灯が綺麗ですね。やはり夏祭りには提灯が良く似合います。
この一帯へ段々と祭車が集まって甲高い祭囃子が響き渡って騒がしい状態です。まさに「日本一うるさい祭」と云われる状態となってきました。
ここからは各祭車に近付いて太鼓と鉦の奏楽を拝見することにします。
やはり大人の方が叩くと一段と迫力が出てきます。
一拍子終わる度に、後ろでは祭衆の輪が出来上がり、歓声が上がって盛り上がっているようです。
各祭車が競争のように叩いているようですね。こちらも後ろに控える若衆が歓声を上げて、一段と力が入って行くようです。
こちらの祭車では女性の方々が太鼓や鉦を叩いてみえました。
この夏、祇園祭と津島祭を続けて拝見してきましたが、とても優雅で静かな祭という感じでした。でも、この石取祭は、騒がしく、動的で躍動感あふれる雰囲気を持つお祭という感想を持ちました。
ここからは祭車を中心に見物していくことにします。時折小雨がポツリポツリと降ってくるので、祭車や提灯にビニールの覆いがされている祭車をあります。各祭車には見事な彫刻が飾り付けられているのですが、これではよく解りませんね。
こちらは祭幕が虎が刺繍で描かれています。見事な刺繍でした。
この通りには合計8輌の祭車が並んでいると述べましたが、市内には合計37輌の祭車があるようですね。この日は、本祭前の「試楽」で、地域地域ごとに祭車が引き廻されているようです。
石取車の特徴は、このように傘状態に提灯が飾り付けられ、後部に長胴太鼓が据えられ、周囲に鉦が紐で括られていることでしょうか。
こちらの祭車には珍しい武者人形が飾り付けられていました。
楽しく祭見物を行ってきましたが、兎に角、蒸し暑く喉が乾きます。やっぱり「水遣り」補充を行わないといけないようです。
聞けば聞くほど独特のリズムの囃子です。石取囃子は、祭パンフによれば、大きな長胴太鼓と大きな鉦をリズムに合わせて打ち鳴らしますが、リズムは「五つ拍子」と「七つ拍子」に分けられるようです。
その拍子や叩き方は、各町内会によって異なっているようですね。その違いは良く解りませんでしたが、それを楽しむのも面白いかと思いました。
午後9時を過ぎたところで祭見物を終えて、桑名駅へと帰ることにしました。まだまだ祭は盛り上がるところだと思いますが、何事も潮時が肝心ですからね。
桑名駅へと戻ってきましたが、写真のとおり大混雑状態でしたよ。祭見物の方でごった返しているのかと思いましたが、何やら混乱モードで様子が変という感じです。
改札前にはホワイトボードが設置されていました。説明書きを読んで仰天絶句状態となってしまいました。何と!爆破予告のためにJR・近鉄とも運行が停止状態になっているとのことです。券売機も発売停止になっています。
兎に角駅構内に入場したいと思ったので、改札窓口で尋ねたところ、写真のような乗車証明書を手渡しされました。まったく迷惑な話ですよ。このような不逞の輩は見つけ次第、厳罰に処して欲しいです。渡された証明書の「次回からは、あらかじめ切符をお買い求めください」記述には、こちらに非があるような感じで、ちょいと気分を害する水郷でした。JR東海さん、この状況で、この内容書きはオカシク、失礼じゃないですかね・・と言いたいところです。
JR関西本線ホームも大混雑です。暫くすると運転を再開したとの放送がありました。ここでも蟹江の方とお会いしました。皆さん、水郷同様に石取祭を見物に出かけて見えたとのことでした。しかし、悪戯と言え、迷惑な話ですね。この後、何とか到着した電車に乗り込んで蟹江へと帰ることができました。蟹江では多くの方が下車されました。今日は蟹江方面から多くの方が石取祭見物に出かけられていたようです。とても賑やかなお祭でした。本日は、午前2時から「叩き出し」がスタート、本祭が執り行われます。午後6時半頃には、桑名宗社前では、各町内の祭車が勢揃いし、渡祭を行うようです。また一段と盛り上がる一日となりそうです。