油揚げと蝋燭を手渡され、境内へと進みました。23日午後は、稲沢市祖父江地区での黄葉見物を終え、県境を越えて岐阜県海津市に出かけました。
祖父江地区から木曽川に架かる馬飼大橋を通り過ぎ、当初は岐阜県羽島市に開店したコストコ羽島店を目指しましたが、途中から道路が渋滞模様となり、これ以上進むことを断念、引き返して違う場所に立ち寄ることにしましたよ。羽島市大須地区まで戻ってきました。この地は、かつて江戸時代に名古屋へ引っ越した大須観音があった地区、そして10年ほど前に廃線となった名鉄竹鼻線の終点大須駅があったところです。そこから長良川に架かる南濃大橋を越えて海津市旧平田町地区に入りました。「平田」は江戸時代宝暦治水の責任者だった薩摩藩家老平田靱負に所縁のある顕彰地名だそうです。さて、ここから目指したのが、古くから商売繁盛の神様として信仰がある「お千代保稲荷」です。2008年8月31日以来、約7年振りに訪れました。前回は南鳥居から散策を始めましたが、今回は東鳥居前の駐車場に車を置いて参道を散策することにしました。
参道は3連休最終日のこともあって賑わっていましたよ。この中にはコストコを断念された方も多く見えるのではないでしょうか。蟹江同様、海抜0メートル地帯に拡がる低湿地帯ですから参道沿いのお店は、ナマズや鰻を始めとする川魚専門料理店が多く並んでいます。写真右はザリガニとナマズ君のモニュメントが店頭上に置かれて、ナマズ君は左右に動くというユニークな飾りでした。
写真左は青果店、店頭のはこの地名産で、今が旬の甘柿や渋柿が置かれていました。右は漬物屋さん、京都伏見稲荷でもそうなのですが、稲荷信仰のお店に多いですね。
参道に並ぶいろんな店を見物しながら、稲荷本殿の鳥居前まで進みました。この前で手を浄め、参拝するためにお稲荷様の好物である油揚げを購入しました。
冒頭の写真でも紹介しましたが、お供えする油揚げ、この地区は三角形をした油揚げをお供えするようです。かつて、油揚げの形は、東海地方では三角、関東は四角など、それぞれ地方によって好む形が異なっていた名残なのでしょうか。
本殿へと進み途中に見かけたのは、トロ箱に入って販売されていたモクズガニ、淡水に生息する最大の蟹、上海ガニの仲間として重宝されている蟹君です。木曽三川地方の特産物なのでしょうか。これを味噌汁に入れて食べると身は小さいですが出汁が溶けだし、とても美味しいようですね。
蝋燭を添えてから稲荷本殿前に進みました。本殿前は写真のように大行列でしたよ。神殿正面からの参拝は諦めて、横から神殿の前に進んで油揚げを奉納してお詣りを終えることにしました。
参拝を終えて神社境内から出てきました。ここで簡単ですが「お千代保稲荷」の歴史について述べたいと思います。千代保稲荷神社(ちよぼいなりじんじゃ)は、京都の伏見稲荷、愛知の豊川稲荷とともに、日本三大稲荷の一つともいわれています。祭神は大祖大神、稲荷大神、祖神。商売繁盛、縁結び、合格祈願などにご利益があり、正月3ヶ日や月末月始の月並祭、15日は大変混雑します。地元ではお千代稲荷(おちょぼいなり)とか「おちょぼさん」として親しまれています。神社名称の由来は、平安時代末期源義家の六男が分家する際、義家より「先祖の御霊を千代に保て」と祖神と共に宝剣と義家の肖像画を受け賜わったのが始まりと伝えられています。
参拝を終えて再び参道に戻ってきました。木曽三川に挟まれた輪中地区に立地していることもあり、写真のような川魚に関する料理屋や土産物店が多く並んでいます。
正午過ぎに祖父江地区から移動してきたので、ちょうど空腹状態、この地ならではの名店のナマズやウナギ料理店の香りについつい誘われてしまいます。右端のお店にもナマズ君が飾られていました。
中鳥居に辿り着いたところ「昭和の懐かしい中華そば」と言う幟が目に入ってしまいました。水郷には、やはり川魚料理よりも中華そばと言うのに足が誘われてしまいます。
遂に誘惑に負けて山川屋さんに入って、中華そばをオーダーしてしまいました。あっさり味でシンプルな感じ、実に昭和の屋台で味わった感じの中華そばでした。丼の塗りが剥げているのも、お店の年季を感じさせられ、昭和らしかったです。
お腹も一杯になり、おかみ様らは町並みの土産物店に入って物色している間を利用して、水郷は参道を一人散策することにしました。3連休の最終日ともあって参道は随分と賑わっていました。
家族連れの方も多いようです。ご当地名物「鮒味噌」や「モロコの佃煮」が並んでいる店頭をじっと見物されていました。
若い方も結構見かけました。やはり商売繁盛の他、縁結び、合格祈願などにご利益があることも影響しているのでしょうか。
そうそう最初に東鳥居から参道に入った際、串カツ有名店があまりにも賑わっているので写真撮影が出来ませんでしたが、参道には立ち食いの串カツ屋さんも多くあり、どのお店も写真のような光景が拝見できました。ビールを相手に、串カツをいただくのも最高でしょうね。水郷は、車で来たので、断念しましたが。。何とも羨ましい限りです。
南鳥居前まで辿り着きました。午後2時を過ぎてもまだまだ多くの方が参拝にお越しになっているようでした。
南鳥居駐車場から鳥居を撮影です。周辺は水郷地帯独特ののんびりした田園風景が拡がっています。お千代保稲荷を取り巻く地域だけ門前の集落が固まっているのが何とも不思議な感じです。
日本三大稲荷の中で、長閑な田園に囲まれたお千代稲荷は、賑やかなまち中にある伏見や豊川の両稲荷とは、また違った雰囲気があって面白いです。ここから再び東鳥居に戻ることにしましたよ。
参道でも一番有名な漬物屋さんです。ここでおかみ様一行と再び合流して東鳥居へと散策していきました。
写真のとおり多くの参拝客がお越しなっているので、なかなか前に進むことができません。ゆっくりと参道に並ぶお店を拝見しながら進むことにしましたよ。散策途中、蟹江や海部地区で親しくしている方などにもお会いするなど、ビックリするような出会いもありました。水郷が栽培をスタートした島畑の地主様とも、参道で偶然にお会いしました。これにもビックリするとともに、このお稲荷様への信仰の篤さを改めて認識した次第です。