津島神社拝殿前です。京都八坂神社と並び牛頭天王社の総本社として古くから篤く信仰を集めてきた歴史を有する神社です。神社及び天王川公園周辺で執り行われる夏六の大祭「尾張津島天王祭」は特に有名です。
5月3日憲法記念日のこの日は、津島神社で執り行われる松尾流献茶祭と茶会に参列してきました。天候は下り坂ということで神社境内上空はドンヨリとした雰囲気に覆われていました。正面建物は神社楼門、豊臣秀吉寄進によるものとして桃山時代の建築様式を残す国重要文化財の指定を受けている歴史的建造物です。
蟹江町を出発し午前9時半前に神社駐車場に到着、会場の神社拝殿へと進みました。到着直後は、まだ観光客などが少なかったのですが、時間の経過とともに多くの方が神社へと訪れてきていましたよ。先月の昭和の日に、近くの天王川公園へ藤まつり見物に訪れましたが、まだ祭期間中でもあり、藤見物がてら神社に立ち寄る方が多いようです。
津島神社は先程少し説明したように約1500年の歴史を誇る神社で、祭神は「建速須佐之男命(タケハヤスサノオウノミコト)」です。明治時代の廃仏毀釈・神仏分離までは、祇園精舎の牛頭天王を祀っていたことから津島天王社と称されていました。なお、同様に信仰されていた京都八坂神社も明治以前は祇園社と云われていました。
献茶祭の受付を済ませて拝殿内へと入りました。写真のように拝殿内には献茶祭参列の方が多く座られてみえましたよ。拝殿内では写真は遠慮して、拝殿周辺から撮影することにしました。拝殿奥には徳川家康四男で松平忠吉が寄進されたとされる本殿があり、桃山時代の建築様式として国重要文化財に指定されています。
暫くして献茶祭が始まりました。本殿と拝殿の間にある祭文殿内の西側に神官、東側に献茶を執り行う松尾流宗匠(家元)一同が揃って式が行われます。やがて宗匠が本殿前に進んで神様に献上するお茶を点てていきます。
拝殿周辺で撮影を行っていたら東鳥居の方角から笛太鼓の響きが伝わって来たので振り向いたところ写真のように秋まつりに登場する山車が見えていたので近付いて見ることにしましたよ。
山車は、参拝の方々に取り込まれていたので遠巻きから撮影することにしました。
鳥居前で山車が回転する「車切り」の披露も行われていました。
カラクリの操作も行われながらの車切り披露、ゆっくりと回転しますが、見応えがありました。藤まつり期間中、周辺ではいろんな催しが行われ、この日は秋まつりの山車2輛が神社周辺に出るとのことでした。
再び拝殿近くに戻ってきました。位置を変えて撮影することにしました。これは東側から撮影したものです。
先程とは反対方向、西側から撮影を行いました。宗匠がお茶を点てている最中のものです。
神様に献上するお茶を点てるので口はマスクのようなもので覆っているのが解ると思います。まずは濃茶、その後に薄茶を点てて神官が本殿前にお供えするのが献茶式です。ここの部分は、拝殿内でシッカリと拝見したかったので撮影はこれで終了させ、最後まで献茶祭を拝見させていただきましたよ。神事中に、あちこちと動き回って落ち着きが無いように思われてもいけませんし、神事自体、とても神聖なものですからね。この後、お茶を本本殿前にお供えし、神官による祝詞奏上、最後に参列者一同が一礼二拝で参拝を行い、献茶祭は無事終了しました。
午前11時過ぎに献茶祭が終了し、茶会の会場である参集所へと向かいました。写真は神社南門、豊臣秀頼寄進の建物で県有形文化財の指定を受けている建物です。いろんな建物が寄進で建造されていますね。それだけ津島神社への尊崇が篤かったということなのでしょう。
写真は茶会が執り行われる参集所です。玄関前には大きなツツジが植樹され、例年だと満開なのですが、藤と同様に今シーズンは早くから咲き始めて写真のように、もう咲き終わりの状態でした。
どうやら茶会の受付に出遅れてしまったようで、本席、立礼席も待ち時間が随分と有るようなので、いつもだと最後にいただく点心を先に撮ることにしましたよ。季節柄藤の図柄が描かれていました。
名古屋では有名な八百彦本店の点心でした。料理の品揃えも豊富で美味しくいただきました。(*^^)v。。こうなるとお茶よりも泡の出る麦茶の方が良いような感じでした。v(^^;。。
点心を済ませると直ぐに立礼席へと入場することが出来て、取り敢えず一服を楽しみました。本席はまだまだ多くの方が待っている状態、休憩場所で休んでいる際に、参集所近くから先程と同じような笛太鼓の響きが伝わって来ています。参集所から出てみたところ東門で拝見した山車2輌が南門前に揃っていましたよ。
既にカラクリ披露は終了していましたが、祭囃子を奏でていました。観光バスの駐車場内でしたので、山車を多くの方が眺めて見えました。
再び参集所に戻ってきました。待ち時間の間に控室に入り松尾流関係の茶会で使用される掛け軸や茶道具の見物を行うことにしました。茶道具は、茶匙・棗・香合など由緒ある道具が揃って見応えがありましたよ。
その後参集所内の庭園を眺めることにしました。とても落ち着いた雰囲気の庭園でした。この後、茶室に入りお点前をいただきました。茶室の中の一服は、また格別ですね。とても厳粛な「侘び寂び」に和の心を味わいました。茶会では礼儀作法も大事、でも時折、会話に笑いもあって面白かったです。こうして茶会も無事済ませることができました。
茶会を終えてから少し津島のまち歩きを行なっていくことにしました。津島神社は、古くから門前町として栄えた歴史を有する町です。都市化が進んだ現在でも栄えた往時の建物が数多く残されています。写真は清正公社、豊臣秀吉の部下であった武将加藤清正公を祀った神社です。清正は幼少の頃、この地域に一時住んでいたとのことです。NHK大河ドラマ「真田丸」で紹介されていたので見学することにしました。周辺はヒッソリとした雰囲気でした。
道を挟んで写真のような古いお堂「上河原地蔵堂」がありました。ここは初めて訪れるので歴史的なことは解りません。
本町筋に入ってきました。津島まち歩きや秋祭見物など、blog記事で何度も紹介させていただいているところで、かつて一番賑わっていた地域です。
西洋風建物はかつての銀行本店だったもので、現在は津島市の観光交流センターとして活用されています。
GW中は、結構この地区でまち歩きを楽しまれる方が多いのですが、天候が下り坂もあって写真のようにちょいと寂しい感じでしたよ。それでもボチボチとお店に立ち寄っている方も見えました。
本日の服装は茶会参列のため、まち歩きにはちょいと向かない格好だったので、歩くのは簡単に済ませて津島神社へと帰ることにしましたよ。写真の道路沿いにある大木は銀杏、新緑の緑に覆われつつあります。
津島神社境内の駐車場へと戻ってきました。境内には、まだまだ多くの方が訪れていましたよ。午後2時半過ぎに神社を出発、蟹江へと引きかえしました。午後からは結構強い風が吹いて、まち歩きには、今一つの状態でしたが、それでも楽しく感じることができた1日でした。
写真は、水郷楽人の塵芥録HP版です。このGW期間中に、一部仕様を変更・修正してみました。どうもblog本文のリンク設定が上手く機能しないので、よろしければサイドバーのリンク集から入場してご覧くださいね。